保有する歯が19歯以下の人は、20歯以上の人と比較して1.2倍要介護認定を受けやすいという結果が出ています。 つまり要介護状態になる危険性も歯が多い人ほど少ないこともわかってきています。
兵庫県香美町の報告では、80歳全員の調査(平成23年)をしており、 8020を達成している80歳の方が平成4年からの20年間で約3倍になっていたそうです。
このような80歳の方々において、自家用車に乗っている割合や携帯電話を保有している割合は 8020達成者の方が高いという結果も出されています。
つまり元気な高齢者でいるには、できるだけ自分の歯を保有することが秘訣となりそうです。
しかし万が一、歯を失ってもしっかり入れ歯を使えば、あらゆる機能は維持されるので、 かかりつけ歯科診療所で相談しながら定期的なチェックが重要ということになります。
以上のように、歯の多い人ほどまたはすでに自分の歯を喪失しても入れ歯等で、口腔機能を回復できている高齢者は認知症になりにくく、 転倒も少ないという疫学結果がわかってきています。
歯が多く残っていることや、すでに喪失していても入れ歯等で口腔機能を維持することは要介護になりやすい疾患を予防し、 健康寿命を延伸する可能性があると思われます。
また最期まで自分の口から美味しいものを食べられるように、ぜひかかりつけの歯科医師にご相談ください。