顎関節症は、う蝕、歯周病に並ぶ第三の歯科疾患と呼ばれてきており、顎関節や咀嚼筋(こめかみ、頬などの筋肉)の疼痛、顎関節からのポキポキ、ジャリジャリという雑音(原因は関節円板のズレ、穿孔、断裂、下顎骨の変形など)、口が開かなくなる、偏位しながら開口する等の症状が出ます。
原因としては
環境因子 | 緊張する仕事、多忙な生活、対人関係のストレス |
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行動因子 | 硬い食物や長時間の咀嚼、楽器演奏、長時間のデスクワーク、重量物運搬、スポーツ 覚醒時、睡眠時のくいしばり、頬杖、うつ伏せ寝など |
宿主因子 | 噛み合わせ、睡眠障害、顎関節の形態など |
時間因子 | どれだけの期間悪化因子にさらされていたか |
上記因子が複数重なって、個人の耐性を超えた場合に発症すると言われています。
治療法
顎関節症の大部分はセルフケアと保存的治療で改善、治癒していく疾患ですが、重度の開口障害、顎関節の骨の変形による咬合不全などの重症化、または別の疾患であることもあるため、積極的に歯科医師に相談しましょう。 歯科医師は相談を受けると問診、診察により顎関節症の病態を把握し、それに見合った指導、治療、または専門医への紹介を行います。
基本的な保存的治療
- 生活指導と悪習癖の是正
- マッサージや顎関節の運動療法の指導
- 薬物療法
- スプリント療法(マウスピース)
専門医での治療
- CT、MRIによる画像診断
- 薬物療法
- スプリント療法(スタビライゼーション型、前方整位型など)
- 外科的療法(パンピングマニュピレーション、関節腔洗浄、関節鏡視下手術など)
- 心身医学・精神医学的な対応 6.口腔機能回復治療(補綴歯科治療、矯正治療など)
気になることがあれば、まずはかかりつけ医に相談してください!
写真は日本歯科医師会雑誌より引用