虫歯は、C0と呼ばれる溶けかけの状態を除いては、決して自然治癒することはありません。
放置をすれば以下のように歯の色や形が変化してきますので、早い段階で治療を受けるようにしましょう。
C1
虫歯は最初、歯の咬み合わせの面や歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間などにでき始めます。 図2の歯には正常な歯(図3)と比べると、咬み合わせの面の溝と、歯の根元に変色が見られます。 しかし、この状態では、虫歯はエナメル質に限局しており、特にしみるといった症状はありません。
C2
虫歯が象牙質まで進んでくると、冷たいものがしみるようになります。 また、エナメル質表面の虫歯は小さくても、内部で象牙質の虫歯が大きく広がっていることが多いため、突然、歯に穴が開いてきます(図5)。 正常な歯(図6)と比べると、形が変わっています。
また、詰め物が取れたまま放っておくと、そこから虫歯が進行します(図7)。 正常な歯(図8)と比較すると、咬み合わせの面に削った治療の跡と茶色に変色した部分が見られます
C3
虫歯が神経(歯髄)まで進むと、熱いもの・冷たいものにより痛みを感じるようになり、何もしなくても痛みが出ることもあります。 歯には、神経に達する大きな穴が開いています(図10)。
C4
虫歯がさらに進行すると、歯は崩壊して根の部分だけ残ります(図12)。 正常な歯の同部位(図8)と比較すると、いかに多くの歯がなくなっているかわかります。 このようになると神経が死んでしまうため、激しい痛みのない場合が多いのですが、神経の穴を通って細菌が歯と骨の間まで入り、化膿して腫れることがあります(図13)。
このようなC4の状態を放置すると(図14)、また、たとえ残った根を抜いても、その部位に歯を入れる(欠損補綴)処置をしなければ、 隣りの歯が傾いてきたり(図15,16)、咬み合わせていた歯が伸び出してきます(図17,18)。 こうなると、咬み合わせが悪くなり、後の処置も困難になります。