OTCホワイトニング、セルフホワイトニングと歯科医院が行うホワイトニングの違い
ホワイトニングにはOTC(オーバーザカウンター)ホワイトニングというドラッグストアなどで手に入るものと、セルフホワイトニングという歯科医院以外で自分で薬剤を塗布して光を当てて歯を白くするもの、歯科医院で施術、購入できるものがあります。これらにどのような違いがあるのでしょうか?
OTCホワイトニング
歯磨きタイプ、マウスウオッシュタイプ、マウスピースタイプ、シートタイプ、マニキュアのように直接塗布するペイントオンタイプなどがあります。
成分はポリリン酸ナトリウム(歯の表面の着色汚れや歯垢を浮かせる働き)、ポリエチレングリコール(タバコのヤニを溶かして落とす働き)、ハイドロキシアパタイト(歯の表面の傷を埋めて整える作用)などが代表的で歯の着色汚れを落とし歯を白くしますが、もともとの歯の色自体を白くすることは出来ません。
また荒い研磨剤の含まれている製品は知覚過敏を起こすこともあったり、一部海外製品では、日本の法律では歯科医院以外では取り扱いが認められていない過酸化水素や過酸化尿素を使った製品がありますが低濃度のため効果は低いようです。
セルフホワイトニング
自分で薬剤を塗布して光を当てます。薬剤成分にはポリリン酸ナトリウム、酸化チタン、酸化タングステンなどが含まれ歯の着色汚れを落としますが、過酸化水素や過酸化尿素は含まれないのでOTCホワイトニングと同様に漂白作用はありません。
歯科医院でのホワイトニング
歯の表面の汚れを落とすクリーニングと歯の漂白の両方を受けられます。
オフィスホワイトニング
診察室で行うホワイトニングです。歯科医師の管理のもと、歯に薬剤を塗布、光源を照射し短時間に確実なホワイトニングが出来ます。
以前は30%~35%の過酸化水素が成分の中心でしたが、最近は光触媒の効果により、濃度の低いものが出ています。
ホームホワイトニング
歯科医院で歯型をとりマウストレーを作製し、患者さん自身がホワイトニングジェルをマウストレー内に塗布してトレーを装着するホワイトニングです。ホワイトニング時間が1日2~6時間程かかることや、患者さんの意思によって行うため、歯科医師の管理が困難である一方、オフィスホワイトニングと比較して診療室でのチェアータイムが短いのが特徴です。また色調も透明感のある白さが得られやすいです。10~35%の過酸化尿素が主成分となります。
低濃度の過酸化尿素のホワイトニング剤は高濃度のものと比較して、知覚過敏が出にくい一方、ホワイトニング効果を得るのに時間がかかります。ただし最終的に得られる効果は同じです。
ウオーキングブリーチ法
虫歯で抜髄を行った歯が変色した場合などに、歯の中にホワイトニング材(過ホウ酸ナトリウムと30~35%過酸化水素水)を入れます。
歩きながらホワイトニング出来るためにこの名前が付きました。
アシステッドホワイトニング
ホームホワイトニングのマウストレーの中に高濃度の過酸化尿素と過酸化水素のホワイトニング剤を入れ、診療室で歯科医師の管理のもと短時間でホワイトニングを行います。その後、通常のホームホワイトニングに移行します。
漂白作用で歯が白くなる原理は、ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素や過酸化尿素が光触媒、化学触媒、唾液、体温で分解されて活性酸素や水酸基ラジカルになり歯の色素を分解するた
め、歯を削ることなく白くなります。
これにより歯を傷つけたり、弱めたりすることはありません。
また歯の変色の色調によりホワイトニング効果に差があるとされ、寒色系(黒、青)より暖色系(赤、オレンジ、黄)の歯の色の方が効果が出やすいです。
これは暖色系は寒色系よりも着色有機物質の構造式が長く、ホワイトニング剤により結合を切る場所が多いためと言われています。
このように色んなホワイトニング法がありますが、迷ったら歯科医院で相談するのが近道かもしれませんね!