80は“ハチ・マル”と読み、80歳という年齢を表し、20は“ニイ・マル”と読み、残っている 自分の歯の数を表します。
80歳で自分の歯を20本保ちましょうという日本歯科医師会が推奨している運動です。
歯は健康な状態だと、全部で何本あるかご存知ですか?
親知らずは数に含まずに、全部で28本です。80歳になるまでに、8本以上歯を失うとこの目標は達成できません。
8020の示す20とは、「何でもおいしく食べられる」ために最低限必要な歯数であり、残存歯数が20本を下回ると咀嚼能力が著しく低下します。
残存歯数が20本を下回るとナッツ類、ステーキといった比較的硬い食品群が噛めなくなり、 歯数が半数以下になるとはんぺんや米飯といった比較的軟らかい食品までなく噛めなくなる傾向にあるという報告があります。
また残存歯数20本未満の群は、20本以上の群に比べ「やせている人」の割合が有意に高かったという報告もあり、 咀嚼能力の低下が適切な栄養摂取の障害になっている可能性が示唆されます。
スウェーデン・フィンランド・アメリカなど予防先進国といわれる国々では、 定期検診率が80~90%と言われていますが日本ではたった2%という現状です。
虫歯や歯周病の初期では自分では気づかないうちに進行していることがあります。
特に、歯周病は再発性が高く自覚症状が出たときはかなり重症となり、痛んでからでは治療回数もかさみます。
虫歯と歯周病を予防するポイントは、プラークの増殖を抑制し、悪い影響を及ぼさないようにいつもコントロールすることです。
自分で行うブラッシングやフロッシングだけではどうしても清掃できない部位(歯間部や深い歯肉溝など)を歯科医院で定期的にケアしてもらうことが必要になります。
定期健診を受けた人とそうでない人を比べると、虫歯、歯周病の再発率が10倍以上も高いという研究データがあります。
車や家が定期的なメインテナンスによって美しく長持ちするように、口の中の健康についても同じことが言えます。
80歳で20本の歯を残すには、定期健診は欠かせないことです。
痛みがあってから治療するという従来型の歯科治療から脱却して、 いつまでも健康なお口を維持するために歯医者さんに行くという考えに変えてみてはいかがでしょうか?