口呼吸の弊害
空気を吸ったり吐いたりするのを、鼻からか口からか意識したことはありますか?
テレビを見ている時、ボーっと歩いている時、眠っている時などに「口を開けているかも?」と思い当たる人は、口から息を吸って吐いている=「口呼吸」をしている可能性があります。
鼻が詰まっていない限り、人は鼻で呼吸するようにできていますので、口呼吸だと身体へは様々な悪影響が生じるのです。
鼻呼吸の場合
口呼吸の場合
口呼吸の弊害
虫歯や歯周病になりやすくなる
口呼吸だと、口の中が乾燥し、唾液の量も減少します。
唾液の減少により、虫歯菌や歯周病菌が口の中に残りやすく、また増えやすくなるため、虫歯や歯周病になりやすくなります。
特に睡眠中は、副交感神経が優位に働くため、ただでさえ唾液の分泌量が少なくなるため、口呼吸だと口の中がとても乾燥しやすくなります。
口臭がしやすくなる
口の中が乾燥することで、さらに細菌が繁殖しやすくなるため、口臭の原因となります。
また、虫歯や歯周病にもなりやすいため、細菌臭や膿、血液の匂いが混じって、余計に口臭が強くなります。
風邪を引きやすくなる
鼻の穴には鼻毛や粘膜があり、呼吸で吸い込んだ空気中に含まれるウィルスや病原菌、アレルギー物質を通しにくくする、フィルターの役割があります。
しかし、口呼吸の場合、これらのウィルスや病原菌などが、直接に気管に入るため、風邪を引きやすかったり、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったりします。
顔貌が悪くなる
口の周りには、多くの筋肉がついており、口を動かす筋肉以外にも、表情を作る筋肉も含まれます。
口呼吸の方は、口周りの唇や頬の筋肉が弱いことが多く、ぽかんとお口を開けたままの口元になります。
また、表情筋も弱いことが多く、感情に乏しい顔貌になります。
酸素の取り込み量が減少する
口呼吸の場合は、鼻呼吸と比べると、1回の呼吸で取り込む酸素の量が少なくなります。
そのため、脳に十分な酸素が行き渡らず、集中力が低下したり、身体の代謝も落ちてしまいます。
睡眠時無呼吸症候群のリスクになる
口を開けたままの状態で寝ていると、下顎や舌が重力で奥の方へ下がり、気道を圧迫・閉鎖することで、睡眠時無呼吸症候群のリスクとなります。
このように口呼吸には様々なデメリットが存在し、口の中だけでなく、全身にも悪影響を及ぼします。
中には命の危険にまでつながる恐れもあります。
心当たりのある方は歯科や耳鼻科を受診し、相談してください。