コラム:口腔ケア

フッ素塗布の勧め

フッ化物の応用 むし歯予防のためのフッ素利用についてはよく聞かれると思います。保健所で幼児がフッ素を塗ってもらう、地域によっては保育園や幼稚園、小中学校におけるフッ素洗口をしている、 諸外国では水道水へのフッ化物添加、身近には歯磨剤のほとんどにフッ素が含まれているなど、現在では広くむし歯予防に使用されています。…

口臭が気になる方へ

「口臭」というのは呼気に混じった臭いです。それにはいくつかの原因があります。食べ物や嗜好品を摂取した場合、たとえばニンニクやネギを食べた後や、タバコを吸った後には、その臭いが口臭となります。また、生理的口臭としては、起床時口臭、空腹時口臭、月経時口臭などが認められます。 他に、精神的口臭として、緊張などにより唾液の分泌が抑制されるために起こる場合や、 本人だけが口臭を意識して周囲は客観的に口臭を意識しない心理的口臭というものもあります。 さらに、病的口臭には、口の中の病気が原因の口腔内口臭と、 口の中以外の全身的な病気(鼻や喉、または消化器系の病気、糖尿病、肝疾患等)による口臭が見られます。これらは、タンパク質成分の分解によって発生しますので、さまざまな臭い物質がその原因物質となります。 ここでは、口の中の病気が原因で、これらの口臭が発生する場合を説明します。 1は齲蝕(虫歯)です。虫歯によって、歯髄組織(歯の神経)が腐食し、それが口臭の原因になる場合があります。 2は歯肉炎です。口腔清掃が不良で歯垢がたまると、口臭を発生することがあります。 3は歯周炎です。歯垢や歯ぐきから出る膿などが口臭の原因になります。 4は舌苔(ぜったい)といって、舌にたまった汚れです。そのほとんどは細菌ですので、これも口臭の大きな原因となります。 このように、口の中の病気が原因で口臭の元になるのは、そのほとんどが細菌によるものです。 歯ブラシによるブラッシングを主として、必要に応じて補助的清掃器具(歯間ブラシなど)や洗口剤を使う適切な口腔清掃がこれらの予防に効果的です。

虫歯や欠損をほっておくと?

虫歯は、C0と呼ばれる溶けかけの状態を除いては、決して自然治癒することはありません。放置をすれば以下のように歯の色や形が変化してきますので、早い段階で治療を受けるようにしましょう。 C1 虫歯は最初、歯の咬み合わせの面や歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間などにでき始めます。 図2の歯には正常な歯(図3)と比べると、咬み合わせの面の溝と、歯の根元に変色が見られます。 しかし、この状態では、虫歯はエナメル質に限局しており、特にしみるといった症状はありません。 C2 虫歯が象牙質まで進んでくると、冷たいものがしみるようになります。 また、エナメル質表面の虫歯は小さくても、内部で象牙質の虫歯が大きく広がっていることが多いため、突然、歯に穴が開いてきます(図5)。 正常な歯(図6)と比べると、形が変わっています。 また、詰め物が取れたまま放っておくと、そこから虫歯が進行します(図7)。 正常な歯(図8)と比較すると、咬み合わせの面に削った治療の跡と茶色に変色した部分が見られます C3 虫歯が神経(歯髄)まで進むと、熱いもの・冷たいものにより痛みを感じるようになり、何もしなくても痛みが出ることもあります。 歯には、神経に達する大きな穴が開いています(図10)。 C4 虫歯がさらに進行すると、歯は崩壊して根の部分だけ残ります(図12)。 正常な歯の同部位(図8)と比較すると、いかに多くの歯がなくなっているかわかります。 このようになると神経が死んでしまうため、激しい痛みのない場合が多いのですが、神経の穴を通って細菌が歯と骨の間まで入り、化膿して腫れることがあります(図13)。 このようなC4の状態を放置すると(図14)、また、たとえ残った根を抜いても、その部位に歯を入れる(欠損補綴)処置をしなければ、 隣りの歯が傾いてきたり(図15,16)、咬み合わせていた歯が伸び出してきます(図17,18)。 こうなると、咬み合わせが悪くなり、後の処置も困難になります。

虫歯じゃないのに歯が溶ける酸蝕症って?

酸っぱいものに繰り返し触れることで歯が溶ける病気を酸蝕症と呼びます。現代の食生活や生活習慣と関りが深く、軽度のものを含めると4人中1人に酸蝕症が認められます。酸蝕症になりやすい原因を知って、歯を溶かす習慣を見直し大切な歯を守っていきましょう。

定期的ケアの勧め

定期的にかかりつけ医で、専門家による歯磨きや指導、機械を使った歯面の清掃を受ける事で、自分ではどうしても磨けなかった部位を綺麗に保つ事ができます。さらにその人の歯列にあった磨き方のコツを教えてもらえるので、セルフケアのレベルも知らず知らずのうちに向上していきます。 歯が生えたら、虫歯予防の方法をかかりつけ医で教えてもらいましょう。定期的なフッ素塗布や6歳臼歯が生えたら虫歯になる前に溝を予防的に埋める処置(シーラント)を行い虫歯ゼロを目指しましょう。 成人では、歯石除去等の定期的ケアによる歯周病の予防により、糖尿病の数値が改善したり、全身的な健康度が増す事も最近は解ってきました。 高齢者に多い誤嚥性肺炎は、口腔内の不潔が原因です。食事の時に口腔内の雑菌が誤って気管に入ってしまう事によって発症します。定期的ケアによる口腔内清掃や義歯の調整、義歯の洗浄は、口腔内を清潔に保つには必須です。 病気を未然に防ぐために、積極的な定期的ケアをかかりつけ医で受けましょう!

定期検診の勧め

定期健診とは 治療によって得られた口腔の健康を持続させ、再発を防止することです。 虫歯や歯周病の初期では自分では気づかないうちに進行していることがあります。特に歯周病は再発性が高く自覚症状が出たときはかなり重症となり、痛んでからでは治療回数もかさみます。虫歯と歯周病を予防するポイントは、プラークの増殖を抑制し、悪い影響を及ぼさないようにいつもコントロールすることです。 自分でおこなうブラッシングやフロッシングだけではどうしても清掃できない部位(歯間部や深い歯肉溝など)を 歯科の専門化である歯医者さんで定期的にケアしてもらうことが必要になります。定期健診を受けた人と、そうでない人に比べると、虫歯、歯周病の再発率が10倍以上も高いという研究データがあります。車や家が定期的なメインテナンスによって美しく長持ちするように、口の中の健康についても同じことが言えます。 8020運動について 80歳で自分の歯を20本保ちましょうというものです。歯は健康な状態だと、全部で何本あるかご存知ですか?親知らずは数に含まずに、全部で28本です。80歳になるまでに、8本以上歯を失うとこの目標は達成できません。スウェーデン、フィンランド、アメリカなど、予防先進国といわれる国々では、 定期検診率が80~90%と言われていますが日本ではたった2%という現状のため、平均で80歳で7本しか歯が残っていません。80歳で20本の歯を残すには、定期健診は欠かせないことなのです。 ですから痛みがあってから治療するという従来型の歯科治療から脱却して、 いつまでも健康なお口を維持するために歯医者さんに行くと言う考えに変えてみてはいかがでしょうか?

高濃度フッ化物配合歯磨き剤を上手に利用しよう!

日本の歯磨き剤は1000ppmF以下のフッ素濃度と定められていましたが、2017年1500ppmFを上限とする歯磨き剤が認可され、1450ppmF配合の歯磨き剤が販売されています。1000ppmF以上のフッ化物イオン濃度では500ppmF高くなるごとに6%の虫歯予防効果の上昇が認められています。しかし間違った使い方では効果がでないこともあります。上手に利用して虫歯予防にとりくんでみましょう。…

認知症予防に口腔ケア

認知機能の低下に特定のタイプの虫歯菌が関係している可能性が高いとの研究成果を、京都府立医大の渡辺功助教らのチームが発表しました。それによると歯磨きなどの口腔ケアが認知症予防につながるというのです。認知機能の低下は、脳内の微少な出血が一因であることが知られています。この出血は、虫歯菌「ミュータンス菌」の一種を保菌する人に多いというのです。血小板の止血作用を低下させる遺伝子を持ち、脳の血管の壁にくっついて炎症を起こすのだそうです。研究対象者279人においてある種のミュータンス菌保菌者は非保菌者に対して14.3倍の脳内微小出血発症という高いリスクを示す結果となり、ミュータンス菌と脳内微小出血の関連は非常に強いものと考えられています。

歯をみがいて心臓を守ろう

栄養・運動・休養・飲酒・喫煙、歯みがき不良によるお口の状態の悪化など、日々の生活習慣が原因となって心臓の冠動脈疾患が発症します。 ヘルシンキ大学の研究グループは、大学病院で心筋梗塞の患者102 名と健常者100…

歯磨きが心臓を守る?

書店で一番売れているビジネス週刊誌、週刊ダイヤモンド(2016.4.23)によるとお口の健康を守ることは心臓を守ることにもつながるようです。 日本の研究者らは日々の歯磨き習慣について「毎食後」「少なくとも1日1回」「1日1回未満」との回答に基づいて対象者を3群に分け、 高血圧症や糖尿病、脂質異常症など心疾患リスクになる全身病との関連を調べました。 その結果、歯磨きの習慣が「1日1回未満」群は、「毎食後」群よりも糖尿病の有病率が2.03倍高く、 脂質異常症の有病率が1.5倍高いことが判明したのです。 また改めて生活習慣と歯磨き習慣との関連を調べたところ、「毎食後」群に比べ、「少なくとも1日1回」「1日1回未満」群では、 喫煙率や飲酒率が高く、BMIとメタボ健診で計測される腹囲径がより大きいことが判明しています。 研究者は「良い歯磨き習慣は、お口の健康だけでなく、糖尿病や脂質異常症といった全身性の疾患の予防に有用」と断言しています。 歯磨きは病気の予防にもなるのです。歯磨き習慣を見直すのはどうでしょうか?
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